宝塚　「愛のソナタ」より　ゾフィー

 

「愛のソナタ」は現東京宝塚劇場のこけら落とし公演（01年）で、月組トップ真琴つばささんの退団公演となった作品です。本当は真琴さんのオクタヴィアンも作るつもりでしたが時間の都合でゾフィーのみとなってしまいました。

 

檀れいさん演じるゾフィーの衣装はどの場面のものもかわいいので、どれを作ろうかと迷いました。迷った末に資料がいちばん豊富なこの衣装にしました。型紙作りに試行錯誤を繰り返し、ドレスの材料選びにも製作にもとても時間がかかり、５〜６ヶ月かけてやっと完成しました。改めて宝塚の衣装部さんのデザインや技術、工夫の素晴らしさを実感した一着です。実物は手元にないので以前に撮った写真をデジカメで撮影し直しました。

実はこの作品、檀さんにプレゼントしようと思って作りました。時間はかかりましたが檀さんの舞台を思い浮かべながらのとても楽しい作業でした。植毛もして、髪型やアクセサリーも檀さんのものにできるだけ近づけてみました。作っていて特に楽しかったのは小さな巻きバラのチョーカーとブレスレットと髪飾りです。実際の衣装では胸元と袖とスカートのリボン飾りは同じ種類の同じ色のものを使っていたのですが、人形サイズでそうしてみるとちょっと味気ない色合いになったので、あえて胸元だけは違うリボンにしてみました。

なんとか大劇場のお茶会に間に合い、ファンクラブのスタッフさんにお願いして受付に飾らせてもらいました。おかげ様で手元を離れる前に大勢の人（しかも同じ檀さんファン）に見てもらうことができました。さらに、スタッフさんのご厚意で檀さんに直接人形を見てもらうこともできました。檀さんはとても驚かれ、お顔を人形に近づけて、「すごい！よく見てる！！」とおっしゃっていました。その驚いたお顔もとてもきれいで、至近距離で見てしまって息が止まってしまうかと思いました。何ヶ月も頑張ったのが最高に報われた瞬間でした。一生の思い出です。

 

しかし作っているときは自分がプレゼントすることばかり考えて夢中で作ったのですが、あんな大きな人形、もしかしたら置き場に困ってらっしゃらないかと後で反省しました。人に何かをプレゼントするのは難しいものです。

 

ゾフィーの衣装は他の場面のものも好きなので、いつか全部作りたいと思っています。